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平成14年7月

平塚の考古資料50選

14. 大陸から伝わった磨製石斧(太型蛤刃石斧) 

遺跡名 田村天神前遺跡(平塚市田村字天神前)
大きさ 長さ21.3 ㎝、重さ1,351 g
年 代 弥生時代

田村天神前遺跡内で採集された資料で、神奈川県内でも随一の大きさです。刃縁から60 ㎜の範囲には粗い使用痕が認められ、実際に使用されたことがうかがえます。石材は変成岩のホルンフェルスです。太型蛤刃石斧は弥生時代に大陸から伝わったとされる磨製石器の一つで、その重量を生かした破壊力で、樹木の伐採や木材の荒割りに使用されたと考えられます。
本資料が出土した田村地区、南側の四之宮地区、そして北側の大神地区に連なる相模川西岸の自然堤防域には弥生時代の遺跡が並び、平塚市内の沖積低地の中でも早くから開発された地域です。一方、相模川を挟んだ東岸にもいくつかの環濠集落が存在し、川の両岸は弥生文化の拠点になっていました。西からの文化の窓口として、更に内陸へ伝播するルートとして相模川の果たした役割は大きなものです。この自然堤防域は後年、真土大塚山古墳の被葬者を支えた基盤の一つとなったと考えられます。

蛤刃石斧


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                                                              平塚市博物館 254-0041 神奈川県平塚市浅間町12-41

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