平成26年12月15日午前4時17分に撮影した
ふたご座流星群の流星
流星を逃さないようにあらゆる方向を向く
博物館のカメラ
皆さんは流れ星を見たことがありますか?
左の写真は博物館の屋上に設置している、高感度ビデオカメラを使って撮影した流れ星です。
宇宙のどこからともなく現れて、視野の中にふっと一筋の細い光を残す現象を、流星と呼びます。
光は瞬く間に消え去ってしまい、その後は、まるで今の出来事が幻であったかのように、空はすぐに静けさを取り戻します。
流星の正体は、彗星(すいせい)から放出された小さなちりです。
ちりが超高速で地球の大気に突入するときに、光っているのです。
早いものだと秒速70Kmもの猛スピードで落下します。
前にある地球の空気を押しながら落下するので、押された空気はぎゅっと圧縮されて数千度という高温になります。
あまりの熱さで流星のちりは分解され、プラズマと呼ばれる状態になります。
プラズマの光が私たちの目に届き、流星として認識されます。
特に明るい流星は、光ると同時に音がなることがあり、博物館の屋上ではマイクを使って流星の音も録音しています。
博物館のサークルの一つ、天体観察会の流星分科会でも、流星観測用のビデオカメラを製作し、会員同士で同じ流星を観測しています。
異なる地点から同時に一つの流星を撮影することで、流星の位置と速度がわかり、小さなちりの通ってきた道のりが求められます。
その道のりには、太陽系がどのような歴史を歩んできたのか、たくさんの記憶が刻まれています。
流星は、過去・現在・未来へ続く長いつながりを見渡すための、重要な案内役なのです。
(平成28年10月7日掲載)