平塚市博物館屋上にて |
平塚市博物館屋上にて |
その晩のニュースが太陽の
形ばかり 話題にすることに
わたしたちの町では多くの人が
違和感を覚えたにちがいありません
なぜなら
そのとき わたしたちの町の 多くの人が
黒雲の雨に濡れながら
あの輝きを見た(見てしまった?)から
そのとき
太陽は 「金」どころか
ダイヤのように
皆既日食から復帰する あの神々しさで
わたしたちの 眼から心まで
一気に貫いて行きました
金環日食って、
あんなにきれいだったのだろうか
1月のプラネタリウムで 私は言いました
今年の天文現象で たぶん
いちばん 話題になるのは金環日食
いちばん 珍しいのは金星太陽面通過
いちばん きれいなのは金星食
削られた 太陽の光と
ひどい雨の気象条件が
そんな先入観など粉々にして
多くの人がこの街で そのとき
黒い雲が割れるのを ただひとつに待っていました
そこに光が現れるときを
悔しがったり あきらめたり
うらやんだり 嫉んだりしながら
厚く垂れ込め
空を覆いつくした
真っ黒な雲を 見つめていました
--その光の 一瞬に
私たちは知りました
待っていたのは 太陽の形ではなく・・
日食も 雨も 黒雲も
集まったひとたちも
それまでの毎日も
どのひとつが欠けても
あの美しさは無かったはず
あの ひかりを
ともに見た(見てしまった?)人たちの 顔とともに
私は
一生忘れないでしょう
どうもありがとうございました
注意:太陽を直視するのは危険です