十五夜のお供え(平塚市山下) |
二十六夜塔
(相模原市田名) |
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★お月見と月待ち
十五夜と十三夜/月を待つ行事
旧暦8月15日の晩を十五夜といい、ススキやお団子を供え、家々でお月見をします。平塚周辺では里芋と豆腐、季節の花や果物を供えます。また、旧暦9月13日の十三夜にもお月見をします。片方だけすることを「片見月」などといって避けました。かつてお月見の団子は盗ってもよいことになっていて、子どもたちが道具を使って近所のお供えを盗る風習がありました。
月を見る行事には、他に二十三夜、二十六夜などの「月待ち」があります。仲間が集まり、遅い月の出を待っておしゃべりや飲食をするもので、各地に石塔が残ります。
展示物:お月見お供え(模型) / 月面全体像写真 / 月の位相変化説明の模型 / 二十三夜・二十六夜月待ち塔写真 他 |
大磯町西小磯の七夕 |
二宮町山西の七夕の人形
(県立歴史博物館蔵) |
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★七夕
平塚七夕まつり/幻の七夕人形—二宮町山西の七夕の人形/伝統を継ぐ−大磯町西小磯の七夕
平塚では毎年7月7日ころ、湘南平塚七夕まつりを行います。商店街を中心にした、豪華な竹飾りが特徴の盛大なイベントです。牽牛星織女星を祭る七夕の伝説は中国から伝わったもので、乞巧奠(きこうでん)という貴族や宮中の行事が元になっています。しかしかつて農村で行なわれた七夕には、乞巧奠の要素だけでなく、前後の行事の虫送りやお盆の要素が混じり、また、農事との関係で雨乞いの性格すら含む場合がありました。それらの例として、近隣の地域の七夕から、西小磯の七夕と、かつて二宮町山西地区で行なわれた人形の風習を紹介します。西小磯の七夕は、国から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定された貴重な行事です。
展示物:平塚七夕資料(飾り−くす玉と吹流し実物、ポスター、写真等) / 西小磯七夕神輿・面・文書・解説VTR / 山西七夕の人形 / 松本と姫路の七夕紙衣・人形(現行品) 他 |
妙見大菩薩石仏の北斗七星
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大雄山二十八宿道標
(畢宿)
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雨降山大山寺の星祭
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★神さま仏さまになった星たち
曼荼羅の星たち/元は星だった妙見さま/星祭/大雄山二十八星宿道標
「星祭」は七夕だけではありません。各地の寺社で行われる「星祭」という行事があります。これは人の運を支配する、ある星たちに対して、年の除災招福を願う行事として行なわれます。密教の寺院では、星祭の本尊には、これらの星たちを描いた星曼荼羅という特別な曼荼羅を用います。その星たちとは東洋の星座にとどまらず、西洋の黄道十二宮をも含みます。神社や石仏に見られる妙見さまも、これらの星、とくに北の空の星への信仰から派生したものです。
展示物:中国の天文図・胎蔵曼荼羅、星曼荼羅 / 星祭お守、星祭御札・版木・妙見・北斗関連石仏写真 / 二十八宿道標写真・マップ 他 |
★明星の伝説
明星神社/星の井戸/星降りの梅
金星もしばしば特別な信仰の対象となる天体でした。仏教では虚空蔵菩薩が金星の化身として信仰されるほか、二宮町にある明星(アカホシ)神社も金星に由来を持つ神社です。
厚木市にある日蓮宗の妙純寺、蓮生寺、妙傳寺には「星降りの梅」と称する梅があります。日蓮が佐渡に流される途中、この地で天から大きな星が落ち梅の木にかかったという故事に基づきます。
神奈川県には星の井戸と呼ぶものが五つもあり、そのうちのいくつかも「明星」に関連があります。
展示物:星降り錦絵 / 星の井戸写真 / 星降りの梅写真 / 明星神社(二宮町)写真 他
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★街の中で見つけた☆たち
身近にある「星」を探してみましょう。たとえば平塚市街にある舗道の陶板タイル。こんなところに星がいる、それを見つけ、集める気軽な楽しみが、今の私たちと星のつながりを後世の人に伝えるはずです。
展示物:平塚市商店街星座絵タイル写真・マップ 他 |