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火山の砂 2

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最終更新 2006年6月
「山から海への砂の旅」

火山の砂 2


■宝永スコリア  
  富士山の最も新しい噴火は1707年(宝永4年)の宝永噴火です。この噴火の火山灰(スコリア)は東方へ東京まで達しました。平塚市域では厚いところで30cmも積もっています。金目川の河床が高くなり、数年にわたり滞水し、多大な被害を出しました。発泡の悪い黒色の火山灰からなり、煉瓦色のものを含んでいます。宝永スコリアは最下部に灰白色の非発泡の軽石を伴っているのが特徴です。
■御殿場泥流堆積物 
  2300年前に富士山南東山腹で起こった大崩壊で、御殿場市を埋め酒匂川を流れて、足柄平野も埋めて、相模湾まで達しました。黒色のスコリア・溶岩片からなる砂で、足柄平野の地下に厚く積もっています。弥生時代にこの泥流が発生したため、現在の酒匂川の砂には冨士起源の溶岩片粒子が多量に含まれています。山北から南足柄では露頭で見ることができます。
■箱根起源のTP降下軽石
 
TP(東京軽石)は5.2万年前の箱根火山の噴火による軽石層で、東京まで飛来しました。平塚市域では1m程の厚さがあります。この降下軽石の噴出直後に大規模な火砕流が発生し、新期カルデラが形成されました。このTPには箱根火山を作る鉱物(斜長石・輝石・カンラン石など)が非常に多く含まれています。降下した鉱物は水で円磨されていないので自形の形を良く保っています。
■古富士起源の赤土
 
台地を作る赤土は古冨士起源のローム層です。赤褐色のスコリアが多量に含まれているほか、遊離した斜長石・輝石・カンラン石の鉱物もかなり含まれています。いわゆる関東ローム層で、この降下火山灰が流域を広く覆っているため、丹沢の山中の沢でも新鮮なカンラン石の結晶が数多く含まれています。降下堆積物は自形の結晶が特徴です。

御殿場市太郎帽の宝永スコリア層

宝永スコリアの砂粒子

▲宝永スコリアの露頭(御殿場市太郎坊)

▲宝永スコリアの砂粒子(平塚市公所・10倍)

御殿場泥流の露頭

御殿場泥流の砂

▲御殿場泥流の露頭(南足柄市駒形新宿)

▲御殿場泥流堆積物の砂(山北町城山・13倍)

東京軽石層

東京軽石の砂粒子

▲箱根起源の東京軽石層(茅ヶ崎市堤)

▲東京軽石の砂粒子。全て結晶からなる。(平塚市高根・7倍)

古冨士起源のローム層

赤褐色粒子からなるスコリア砂

▲古富士起源のローム層(平塚市上吉沢)

▲赤褐色のスコリア粒子からなる砂(土屋・7倍)

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