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小田原・厚木道路 大磯パーキングエリアでの化石展示
■大磯パーキングエリアの化石展示
小田原-厚木道路の大磯パーキングエリアに化石が展示されているのをご存じでしょうか?。大磯パーキングエリアは平成11年6月18日に完成しましたが、この工事に伴い、化石が大量に産出しました。平塚市博物館では、従来からこの場所で小中学生向きに夏休みの自然観察入門講座「貝化石を調べよう」を実施してきました。このパーキングエリアの工事に伴い、化石を産出する露頭が消滅するので、平成9年(1997年)、日本道路公団小田原工事事務所の許可を得て、工事現場での化石を収集し、その夏には最後の入門講座「貝化石を調べよう」を実施しました。その後、大磯パーキングエリアの工事にあたり、消滅してしまった貴重な化石を保存し、多くの方に見ていただけるよう、日本道路公団の方々がご尽力いただき、男子洗面所の前に小さな化石展示コーナーができました。当博物館で収集した化石が11点展示され、「貝化石を調べよう」の参加者の熱心な化石採集の様子も写真になっています。上り線にありますので、ここを通られた方は是非、お立ち寄り下さい。
■この化石は
化石は二宮層という約50万年ほど前の地層から産出するもので、ナミジワシラスナガイという小さな二枚貝が圧倒的に多く含まれています。その他、ゲンロクソデガイ・タマキガイ・ベッコウガキなどの二枚貝、ヤツシロガイ・マユツクリ・タマガイなどの巻貝、ツノガイなどの他、絶滅してしまって現存しないカズウネイタヤガイやトウキョウホタテガイなど数多くの種類を含んでいます。こうした化石を現在の相模湾に生息するものと比べると、この場所は水深が20〜100mほどの、黒潮が流れ込む外洋に面する海底で、相模湾と同程度の水温であったことが伺われます。この地層は二宮町から大磯町・平塚市にかけて分布しており、この時期には湘南海岸は海に広く覆われていました。平塚市域でも高根や出縄でその痕跡を見ることができます。
文献:磯望他4名 (1976) 関東の第四紀 3号 9-17.
森慎一他4名 (1977) 神奈川地学 6巻4号 38-50.
森慎一・長田敏明 (1979) 二宮層群産軟体動物化石目録 平塚市博物館
▲トイレの横に設置された化石の展示コーナー(大磯パーキングエリア上り車線) | ▲博物館で行った観察会風景とともに、化石が展示されている。 |
▲かつて多量に化石が産出した露頭。現在は消滅した。 | ▲大きなトウキョウホタテガイも多量に産出。 |
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