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冬は外へ出ない会ですが、今回は1月15日が定例日にあたり、しかもちょうど三崎を探訪中ということもあり、チャッキラコの見学を予定にとりいれました。三浦市三崎は文化財の宝庫で、海南神社例祭に奉納される船歌・木遣歌・お練り獅子、面神楽、イナリッコなどたくさんの民俗芸能や祭事があり、なかでも国指定無形民俗文化財で2009年にはユネスコ世界無形文化遺産に登録されたチャッキラコがつとに有名です。三崎の花暮・仲崎の両集落に古くから伝わる歌と踊りで、漁師のおかみさんの歌に合わせて漁家の娘たちが踊りました。現在は三浦市内の小学生から踊り手を募集し、平成26年は幼稚園生から小学6年生までの少女26名が踊り手に参加、歌い手である音頭とりには7名の女性が参加されていました。小雪散る厳寒のさなか、おそろいの晴れ着で着飾った少女たちがひたむきに真剣に踊り続ける姿に胸を打たれました。可憐で美しい民俗芸能です。朝10時に本宮神社でのお祓いに始まり、海南神社、三崎昭和館前、午後から仲崎竜神様、花暮竜神様で歌と踊りを奉納し、夜にかけて三崎の商店や船元の家を回り踊りを披露します。一日に15ヵ所くらいで踊るのではないでしょうか。歌と踊りは6種類あり、1.はついせ、2.チャッキラコ、3.二本踊り、4.よささ節、5.鎌倉節、6.お伊勢参り、の名で呼ばれています。全体の総称として「チャッキラコ」が用いられています。文献類には素朴で簡素な踊りなどと表現されていますが、歌は種類ごとにテンポと節回しに特徴があり、踊りも細やかな手の動きがあるなど、何度見て聴いても新鮮な感動を覚えました。音頭とりの歌声と、その合間に入る少女たちの可憐な囃子詞とのコントラストが絶妙です。今回は当会員から提供された写真も使用して報告します。
★行程:三崎口駅-三崎港バス停~本宮神社~海南神社~三崎昭和館~仲崎竜神社~花暮竜神社~うらり~三崎港バス停-三崎口駅 参加者15名
▲本宮神社へ奉納 | ▲海南神社へ参拝した演者たち | ▲海南神社の見学者 |
▲海南神社神楽殿で奉納 | ▲移動中は防寒着をはおって | ▲三崎昭和館前で披露 見学には一推しの場所です。 |
▲これがチャッキラコという綾竹 三崎昭和館にて | ▲仲崎竜神様へ奉納 | ▲はついせ ゆったりとしたテンポの歌に合わせて、右手の扇を動かす踊り。(花暮竜神様にて。以下同) |
▲チャッキラコ 鈴のついた綾竹を手に持ち、リズミカルに動かす。「チャンチャンコリャー チャンチャン」の掛け声が印象的。 |
▲音頭とり |
▲二本踊り 二本の扇を使って半円形などいろいろな形を描く踊り。 |
▲よささ節 「ヤーセノセー ヨササノサー オヤ ツツテン ツツテン」の囃子詞が耳に残る。 | ▲鎌倉節 一本の扇を回す。この歌だけ囃子詞が入らない。 |
▲お伊勢参り この踊りだけが円舞。扇を肩に担ぎ、輪になって前進する。「ヨイヤーネー コノセー コノセー」の囃子詞が印象に残る。 |
▲料理店に入る演者たち 一般の見物人は中へ立ち入ることができない。 |
▲お化粧直し 踊る前に一人一人の化粧や着物を整える。うらりにて。 |
▲うらりにて披露 公開で披露する歌と踊りはここが最後。 |
★次回:2014年3月18日(火) 「相模湾の民俗27(最終回) 「城ヶ島と神奈川県水産技術センター見学」
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