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強風に吹かれ、ときに潮のシャワーを浴び、ときに砂つぶてを受けて歩く体力勝負の一日でした。高波が押し寄せる荒々しい海に船舶は一隻も航行していませんでした。
長井には前々回から引き続き、江戸日本橋の商人から奉納された狛犬など江戸とのつながりを偲ばせる石造物を見ることができました。江戸へ魚を送り、その帰りに江戸の文物が運ばれたため、長井はいち早く江戸の文化が入り込む土地であったといわれます。長井の荒井に残る独特の風習である“道切り”も残り二カ所を訪ねることができました。
★行程:三崎口駅-漆山バス停~〈長井〉熊野神社~長慶寺(荒井観音堂)~荒崎公園(昼食)~栗谷浜漁港~〈和田〉円徳寺~〈入江〉~〈下宮田〉実相寺~延寿寺~三崎口駅 参加者9名
▲道切り 勧明寺付近。片足の草履、剣、蛇、賽子を提げる。 |
▲熊野神社の狛犬 日本橋小田原町の尾張屋から奉納されている。 |
▲熊野神社の鳥居 江戸へ向かう石船が長井の海で座礁し、それを漁師が助けたお礼に寛政12年に奉納された。 |
▲長慶寺の天井絵 天井の龍図は文政4年に谷文晁が描いたものである。 | ▲長慶寺の堂内 三浦三十三観音の三十一番札所で、荒井観音と呼ばれる。 | ▲荒崎海岸 高波で一段と荒々しさを増す海岸風景を堪能。 |
▲荒崎海岸のドンドンビキ 小さな入り江のドンドンビキでは、強い波と風で潮花が舞う珍しい現象が見られた。 | ▲道切り 大久保方面から荒井へ入る道に設置されている。 |
▲荒井の庚申塔 右から二基目はきわめて珍しい聖観音像の庚申塔で、「聖面金剛童子」と刻む。 |
▲栗谷浜漁港の漁船 タコカゴと網がのっている。 |
▲栗谷浜漁港にて フシやカマなど覗突(ボウチョウ)漁の道具をのせている。 | ▲長浜海岸 コース中最大の難所になった。砂つぶてを受けながら強風に飛ばされぬよう懸命に砂浜を歩く。 |
▲御経窟の魚藍観音 昭和61年に日本橋人形町の魚久が魚貝類諸霊菩提のために建立した石塔。 | ▲御経窟 鎌倉時代、日範上人は日蓮の流刑地伊豆を望むこの岩窟で3年間行を行い、のちに円徳寺を開山した。 | ▲赤辺稲荷 むかし、漁師が時化にあい、里人が夜を徹してこの稲荷に祈願したところ全員が無事に戻ったという。 |
▲下宮田のいぼとり地蔵 左から2基目の地蔵は、背後の木札に「奉勧請いぼとり地蔵」と記してある。 | ▲実相寺の七面大明神 安永7年の石塔で、波島に祀られていた七面天女は大正時代に実相寺へ移された。 | ▲延寿寺の松 開基の日範上人お手植えの松で、松に長虫(蛇)が棲みついていたため、龍神として信仰している。 |
▲入江の埋め立て地を望む 三崎臨海高校と県営住宅が建つあたりは明治以前は海で、波島があった。 | ▲下宮田のメロン畑 | ▲下宮田のかぼちゃ畑 |
★次回:2013年7月17日(水) 「相模湾の民俗 第23回 三戸探訪」 三崎口駅~三戸
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