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民俗探訪会
相模湾の民俗 第14回 「江ノ島駅~稲村ヶ崎駅」 2011年11月16日

 今回のポイントは、龍口寺、腰越の町・漁港・小動神社、田辺が池でした。龍口寺は延元二年(1337)建立の日蓮宗寺院で、9月12日の龍口法難会にはかつて平塚市の日蓮宗檀徒も講中を組み法要に参列しました。文永8年(1272)に日蓮が斬首されかけた龍ノ口刑場跡が山門脇にあります。腰越の漁港ではシラス干しなどの作業の様子を見ることができました。小動神社には海の安全と大漁を祈った祠や碑がたくさん祀られていました。田辺が池は、大干ばつに襲われた文永8年、幕府は極楽寺の忍性に雨乞いの祈祷を命じたが効果無く、日蓮がこの池で法華経を唱えたところたちまち大雨が降ったという池で、かつては平塚市域からもこの池へ雨乞いに行きました。また、今回は随所で龍と亀の石像に出会えたのも印象に残りました。
★行程:江ノ島駅~龍口寺~腰越漁港~小動神社(昼食)~浄泉寺~霊光寺・田辺が池~稲村ヶ崎駅 参加者15名

竜口明神社 龍ノ口刑場跡の道祖神 龍口寺山門
竜口明神社
 
江の島縁起によれば、弁財天と夫婦となって改心し、竜口山に化身したという五頭竜を祀る。 
龍ノ口刑場跡の道祖神
 向かって左は文化二年像立の単体神像。
龍口寺山門
 元治元年竣工。中国のさまざまな故事が彫刻されている。
龍口法難六百五十年報恩塔 七面堂の龍像 龍口寺仏舎利塔からの眺め1
▲龍口法難六百五十年報恩塔
 「最初牡丹餅結社」の寄進。日蓮が龍ノ口に連行される途中、黒胡麻の牡丹餅を供養した故事にちなむ。
七面堂の龍像
 江戸時代初期に身延七面山の七面大明神を勧請したお堂で、精巧な龍の石像が安置されている。
龍口寺仏舎利塔からの眺め1
 相模湾の背景に富士山、矢倉岳、金時山のパノラマが広がる。
龍口寺仏舎利塔からの眺め2 竜口山遠景 腰越の鎌倉道
龍口寺仏舎利塔からの眺め2
 江ノ島湘南港の向こうに大島を望む。
竜口山遠景
 
腰越の鎌倉道
 腰越のメインストリートは江ノ電が並行して走る。
腰越漁港 タタミイワシの型枠 シラス干し
▲腰越漁港
 腰越では、シラス船曳網、刺し網、定置網、ワカメ養殖などが行われている。 
タタミイワシの型枠
 右手の熊手状の道具はシラスを平らに均す道具。
▲シラス干し
 いい匂いが漂い食欲がそそられました。
カラスミ 西浦海難殃死者供養塔 タコ籠
カラスミ
 ボラの卵巣を天日干しする。
西浦海難殃死者供養塔
 西浦は江ノ島北西の磯を指す。大正3年10月1日にここで腰越の漁師が時化で遭難した。碑の裏面に死亡者姓名50余名が記されている。 
▲タコ籠
小動神社境内の海神社 御嶽山石碑 龍王海神と亀
小動神社境内の海(わたつみ)神社
 漁業・航海の神。
御嶽山石碑
 碑の「国常立尊」は木曽「御嶽山神社」の祭神、「八海山神社」は御嶽山五合目、「三笠山神社」は同七合目に祀られる神社。台座に「海運」と刻む。
龍王海神と亀
 昭和6年に奉納された巨大な亀の「龍王海神」石像。
小動神社 七里ヶ浜 田辺が池
小動神社
 腰越の鎮守。例祭は1月16日。7月14日の天王祭は小動神社と江ノ島八坂神社の神輿による行合祭りで、腰越五町の山車が勢ぞろいする。
七里ヶ浜
 134号線はしばらく江ノ電と平行し、終始相模海の絶景が広がる。
▲田辺が池
 平塚市中原と南原では昭和30年代まで、日照りが続くと大山阿夫利神社・箱根権現とともにこの田辺が池から水を持ち帰り雨乞いをした。
日蓮聖人雨乞霊跡道碑 日蓮上人祈雨旧跡の碑 田辺が池の蛇枕龍神塔 霊光寺の題目塔
日蓮聖人雨乞霊跡道碑
 大正4年9月12日、横浜市伊勢町の鈴木清次郎氏が建立した道標。
日蓮上人祈雨旧跡の碑
 鎌倉市観光ボランティアの方々が、石碑の文字に水性ペンキで白く書き入れる作業をされていた。
田辺が池の蛇枕龍神塔
 明治44年造立の塔で、蛇枕龍神とは八大龍王とともに日蓮の雨乞い修法を守護した神と刻まれている。
霊光寺の題目塔
 享保20年に江戸の講中が建てた題目塔で、右面に 「日蓮大菩薩祈雨之𦾔跡也」と刻まれている。
霊光寺の田邊龍神塔 霊光寺の亀海神塔 稲村ヶ崎手前から江ノ島方面の夕景
霊光寺の田邊龍神塔
 田辺が池の主で、日蓮の雨乞を擁護した龍神である由が刻まれている。明治44年造。
霊光寺の亀海神塔
 「□亀海神塔」と刻む石塔が亀の甲羅に乗っている。
稲村ヶ崎手前から江ノ島方面の夕景

★次回:2012年3月21日(水) 「相模湾の民俗 第15回」 稲村ヶ崎駅~鎌倉駅  

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