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気温35℃に達する猛暑日に山坂の多いロングランコースを歩き、一同バテバテで湯河原駅にたどり着きました。今回のポイントは真鶴の鯖大師と福浦の子之神社。鯖大師は、鯖を持った大師像と海上安全の石地蔵が祀られ、現在も8月に水難者の供養が行われる特別な場所です。子之神社では宮司の穂積天佑氏から神社の歴史や浦島伝説と竜宮社の結びつき(後述)などをお聞きし、興味が尽きませんでした。セーノカミをはじめ石造物も見ごたえがありました。
★行程:真鶴駅−鯖大師−しとどの窟(昼食)−貴船神社−子之神社−竜宮社−小道地蔵−真鶴駅 参加者14名
▲真鶴東のセーノカミ 両手で経巻を持つ | ▲真鶴港 | ▲貴船まつりの小早船(東・東明丸)の飾り付け |
▲水難溺死横死者と魚介群類を供養し、海上安全・大漁祈願を供養する地、真鶴の鯖大師 | ▲手に漁具(モジリ)と鯖を持つ鯖(生飯)大師の像 | ▲鯖大師の脇に安置された海上安全の地蔵 |
▲貴船まつりの小早船(西・貴宮丸)の飾り付け | ▲頼朝船出のしとどの窟にて | ▲真鶴の貴船神社 |
▲福浦の尻掛海岸付近から湯河原方面の眺め | ▲福浦・子之神社の大漁祈願絵馬 | ▲茅葺き屋根の子之神社 天保9年建造 |
▲子之神社の手水鉢は、泣いた亀さんの石を加工したものと伝える。 | ▲玉手箱を埋めた場所へ建立されたという福浦の竜宮社 | ▲江戸時代に産出された福浦の石切場 |
▲福浦漁港 | ▲吉浜素鵞神社のセーノカミさん | ▲吉浜稲荷神社前のセーノカミは口に紅をさす |
●福浦の浦島伝説 子之神社の穂積天佑宮司からお聞きした、福浦の浦島伝説を紹介します。 むかし、福浦にアマノコタロウという魚釣りが上手な若者がいました。ある日、コタロウは、“竜宮の鼻”の前で怪我をして苦しんでいる亀を見つけました。家に連れて帰り薬草で7回ほど治療したら治りました。海へ戻そうとしたら、亀さんが「お礼をしたい」と言いました。そこで亀の背中に乗って行くと、大きなお城があり、龍王様とお姫様がいて、「私の部下の亀さんを助けてくれてありがとう」と言ってコタロウを歓待してくれました。竜宮のお姫様は「玉手箱を持っていってください。中に役に立つ物が入っているので、あとで開けてください」と言って、コタロウに玉手箱を渡しました。戻ってきて箱を開けると、中には巻物が一つ入っていました。巻物には、どのようにしたら魚がたくさん捕れるのかという、漁業の秘法が書いてありました。小太郎は450年もの間、魚の捕り方を若者に教えて亡くなりました。コタロウが死んで、亀は泣き暮らしているうちに石になってしまいました。巻物は玉手箱に入れて海岸に埋め、その上に竜宮さんを建て、コタロウさんと亀さんを祀ったとのことです。 コタロウと亀が出会った“竜宮の鼻”とは、関東大震災で崩れてしまう以前、現在の福浦漁港の付け根付近にあり、子之神神社の神が降臨した岩と伝えられています。鼻の部分がトンネルになっていて、ここから頼朝は房州へ船出をしたとも伝えています。竜宮の鼻から船出をすると海難事故に遭わない、大漁になるといわれました。 玉手箱を埋めた上に建立されたという竜宮さんは、海を見下ろす高台に祀られています。毎年9月1日に行う八朔祭に漁師さんが集まります。社の脇に亀塚といって、亀さんの小さな石のお墓が建てられています。また、子之神社の大きな手水石は、泣き暮らして石になってしまった亀さんの石を加工したものと伝えられています。 |
★次回:2010年10月20日(水) 「相模湾の民俗 第9回」 湯河原駅〜熱海駅
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