流域の岩石 (2.丹沢凝灰岩類)

安山岩質火山角礫岩

最終更新 1998年5月

色調の異なる数種類の火山岩塊を含んでいます。火山岩塊が基質よりも多いので火山角礫岩になります。かなりの礫の周辺は急冷しガラス質になっています。火山岩塊を埋める基質は脱ガラス化して白色化しています。ハイアロクラスタイトの一部かその二次堆積物である可能性があります。

秦野市水無川上流・本谷川 安山岩質火山角礫岩
 
安山岩質火山角礫岩(急冷層有り)
基質が少なく、褐灰色と緑灰色の火山岩塊を含む火山角礫岩です。褐灰色の礫は細粒で緻密な安山岩であり、周辺が急冷した構造を持っており、本質物質ですが、緑色の礫にはそうした構造は見あたりません。従ってこの岩石は本質物質を多量に含むものの、エピクラスティックな火山角礫岩と考えられます。


秦野市本谷・水無川上流 安山岩質火山角礫岩(急冷層有り)
 
含赤色泥岩礫安山岩質凝灰角礫岩
大きな火山岩塊を含む凝灰角礫岩です。赤褐色のチャート様の礫は泥岩で、ちぎれた様子を呈し、未固結時に取り込まれたものと考えられます。現在の深海底3500m以深には赤色粘土が堆積していることが知られており、凝灰岩中のこの赤色泥岩もそうした深海底で堆積したことを暗示するものと考えられています。


秦野市菖蒲・四十八瀬川 含赤色泥岩礫安山岩質凝灰角礫岩