全岩粗い結晶からなる完晶質の岩石です。結晶は自形(鉱物自らの形)ないし半自形をしています。こうした組織は深成岩の特徴です。中央部の灰色結晶は斜長石で、暗色部との縞は双晶を示します。斜長石には良くみると結晶の輪郭を取り囲むように、累帯構造がみられます。これは斜長石が成長するにつれ、化学成分が微妙に異なり生じるものです。紫・緑の結晶は角閃石で細長く伸びています。石英は画面ではみられませんが、含まれています。このトーナル岩では黒雲母はありません。 | |
トーナル岩[丹沢系] (直交ニコル 4×10) 黒雲母トーナル岩 完晶質の岩石です。灰色を呈した斜長石は明色部と暗色部が縞をなし、双晶(アルバイト式双晶)をし、特徴的な累帯構造がみられます。自形の斜長石に比べ、右側の白及び灰色の石英は不定形をしており、双晶や累帯構造がみられません。石英は最後に晶出するため、他形(結晶本来の形を示さない)となります。茶色は黒雲母、緑色は角閃石、中央の真黒な結晶は磁鉄鉱です。 |
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黒雲母トーナル岩[丹沢系] (直交ニコル 4×10) |
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