平塚の地形地質 (5.平野の地層をさぐる)

平野の地下を探るボーリング

最終更新 1998年5月

平野の地下の様子はふだん見る事ができませんが、建設工事の際に事前に行われるボーリング調査や遺跡調査で知ることができます。平野の表層の地層は、平野を作る地形から判断することができます。  市域の平野の南半部を占める砂州・砂丘地帯は、厚い砂層からなっています。工事現場などでは表層の縞状をなす砂層がみられることがあります。表層には茶褐色の土が最大で1m程重なっています。この土は海岸に砂が堆積してから植物により砂州や砂丘が固定されて作られた腐植土です。最上部の30cmほどは一般には耕作土となっています。耕作土の下には、真っ黒い火山砂が見られることがあります。これは宝永4年(1707)に富士山の寄生火山である宝永山の噴火によりもたらされたもので、当時は広く台地を覆ったはずです。現在では耕作土の中に混じっていますが、凹地などで見ることができます。砂州の高まりが削剥され平坦化された所では、耕作土の下の褐色土がなく、すぐ下に砂が見られる事が良くあります。   一方、自然堤防は河川により運ばれた砂礫層や砂層からなり、その上に茶褐色の腐植土が重なっています。河道に近いところほど粗く、四之宮林の自然堤防では砂礫層が見られました。これに対して氾濫原にあたる後背湿地では氾濫した細かな泥が堆積しています。砂丘や砂州列の間の堤間凹地でも、同様の腐植質の泥層が薄く重なっています。  こうした表層を作る地層より下位の地層の様子は、ボーリング調査により知る事ができます。ボーリング調査は建造物を建てる時、地盤の地耐力を知るため必ず行われます。

表層の地層の柱状図

ボーリングの調査

ボーリング報告書とコア