金目川は金目で台地や丘陵から離れて扇状地性の平野を作っています。地形としては典型的な扇状地とはいえませんが、堆積物からみると礫質な地層からなり、扇状地性の平野ということができます。等高線をよく見ると、青柳東方を中心として円弧状を描いているものの、かなり屈曲しており、高位の面と低位の面に区別できそうです。高位の面は坪ノ内から東方へ延び、低位の面は北東へ延びているように見えます。南金目の集落はみな高位面に分布しています。 金目川の水を水田に引くための用水路図をみると、この平野の地形が良くわかります。即ち、金目川には用水路に取水口が9ヶ所認められますが、水田からの排水の流入口は下流の纏に1ヶ所あるだけです。これに対して、鈴川では右岸にある6ヶ所の口はすべて用水の流入口で、左岸の赤坂と北大縄に2ヶ所の取水口があります。金目川と鈴川に挟まれた地域の水田は、鈴川からの取水は全くなく、すべて金目川の水を利用しているのです。それはこの地域の平野が金目川によって作られたことを物語っています。 | |
空からみた金目川扇状地 | |
広川〜公所に広がる水田 | |
飯島の金目川 | |
金目川流域の地形図(昭和52年1/10000平塚市地形図より作図) | |
金目川用水路図(明治42年1/25000伊勢原・秦野より作図) |