黒点の観測方法は76年7月より直径15cmの投影像でスケッチを始め,現在まで同一の直径でスケッチ観測を行っている。観測者は76年7月より鳫が行い,83年より沢村が加わった。前年の82年に並行観測を行い,両者の観測に大きな差異の出ないよう調整をした。
使用望遠鏡は76年7月より五藤光学研究所製8cmF15アクロマート対物の屈折望遠鏡を用いたが,79年8月より高橋製作所製9cmF13.3トリプレットセミアポタロマート対物の屈折望遠鏡に変更した。変吏理由は口径を9cmに変えることで集光力が27%ほど増し,薄曇りの際の観測に効果が期待されたからである。焦点距離はどちらも1200mmと同じ為,投影用接眼鏡は五藤光学研究所製のMH-18m/mを継続使用した。
対物のレンズ構成の違いによる観測への影響ははっきりとは認められなかった。
同時期より黒点数のカウント法をMH-12. 5mmを使用した直視法から,投影された像を約18~20cmに拡大してカウントするようにした。
観測場所は76年7月から80年2月までは館屋上を使用していたが,80年3月に館南側の庭に観測用ドームを製作し,以降ドーム内で観測が出来るようになった。これにより風による影響が防げ,薄日の状態でも黒点の見落としが減り,安定した観測が可能となった。
写真による黒点の記録は80年より行ってきた。望遠鏡はスケッチ観測と同じ9cm屈折を使い拡大用接眼鏡は高橋製作所製のOr-7mmを使用している。この組み合せは変更していない。フィルターは当初PO-1(緑色)とND-4またはND-8の2枚を組み合せていたが,82年よりショット社の緑色フィルター1枚で可能にした。
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