86年1月より97年12月までの月別黒点群数、黒点数、相対数の観測結果は表1のとおりである。これより全面の相対数についてグラフにしたものが図1、南北別の相対数についてグラフにしたものが図2である。これらのグラフは細線が毎月の相対数を現し、太線が前後6ヶ月の13ヶ月移動平均の値である。図3は太陽面緯度を縦軸にし、出現日を横軸にとった、各黒点群の出現緯度分布を記した蝶型図である。緯度分布は中央経度近辺時で発達した時の緯度を主に用いたが、短命な微小黒点や欠測が続いたときは出来るだけ位置制度の高い観測を用いた。
これらの観測結果から第22活動期の活動状態を見ていくことにする。太陽面全面の相対数変化は図1の移動平均のグラフより、1986年9月からはじまり、89年には最初の活動のピークを作った。これは後述する、主に北半球の活発な活動の影響であった。その後の南半球の活動により、92年の半ばまで活発な活動が継続される富士山型の極大を形成した。その後は96年6月の極小に向かって緩やかに活動が静まってきた。今回の活動期の中では、89年3月の北半球に出現したN43(1989)群、91年6月の北半球に出現したN66(1991)群が非常に活発な活動を行った記憶が強い。
図1 月別平均相対数の変化 (全面) |
図2 月別平均相対数の変化 (南北別) |
図3 蝶形図 (’76.7~’97.12) |
表1 月別群数、黒点数、相対数 (’86.1~’97.12) |