ガイドブック 星空博物館 (第2章 太陽と月の現象)

太陽黒点

平成15年3月発行


黒点のある太陽面

 太陽の表面には「黒点」とよばれる黒っぽい斑点がしばしば現れます。太陽は巨大なガス球です。中心部で発生したエネルギーは対流によって表面に伝えられ、光を放っています。黒点は太陽内で磁力が対流を部分的に妨げ、周囲よりも低温になってしまった部分と考えられています。
 黒点の形状はさまざまで、単独だったり、群になったりして現れます。これを黒点群といいます。黒点群の中には、磁石の両極のように東西に1対になって現れる姿がよく見かけられます。

大型で複雑な形をした太陽黒点郡

 太陽も自転をしているため、表面の黒点もこれにつれて動いて行きます。黒点自体も一定でなく、1日で消えてしまうものもあれば、形を変えながら1ヶ月以上観測されるものもあります。
 観測は、望遠鏡と太陽投影板を用い、投影板に映した太陽を黒点とともにスケッチします。そして、黒点群の数と、それぞれの黒点数(暗部の数)を記録します。群数×10+黒点数 によって算出した数値を黒点相対数と呼び、黒点活動の度合いを示すものとして世界の太陽観測者が使用しています。
 黒点活動には11年前後の周期があり、増減を繰り返しています。周期ごとの活動度にはかなりばらつきがあり、その理由はまだくわしくはわかっていません。
(太陽の観測は大変危険なので、決して直接見ないように注意してください)

黒点のスケッチ
アルファベットは黒点の型分類。数字は群に含まれる黒点数を示す。

黒点相対数の変化(平塚市博物館の値)