ガイドブック 星空博物館

あとがき

平成15年3月発行

 夕焼けがきれいな西の空に、真っ白に輝くよいの明星を見つけたり、満月が徐々に欠けて、薄暗い月に変わる皆既月食を見たり、彗星が長い尾を伸ばしながら、漆黒の星空にぽっかりと浮かんでいるのを見たりすると、きっと昔の人たちも恐れてばかりではなく、この不思議なことがなぜ起こるのか、知りたくなったに違いない、と思えてなりません。
 わたしたちをとりまく宇宙の広がりが、太陽系を超えて理解されるようになったのは、大型の望遠鏡が宇宙に向けられるようになった20世紀になってからのことです。しかし、そこで何もかもがわかってしまった、というより、また、謎が深まったことは、火星の運河の模様からはじまる火星人論争でも明らかです。
 ついにはロケットをとばして探査機を惑星に送り込むことまで出来るようになった現在でも、もっともっと知りたくなるのです。
 本書では、実際に太陽系天体や太陽系天体が関係する天文現象について解説しました。それらを目で見たり、望遠鏡で眺めたりするときに知っておくと便利なこと、近未来の日食、月食など、いつ見られるかがわかるようにしてあります。太陽系天体について知り得たことがらの概略もまとめました。
 これらのことを参考にして、いろいろな天文現象や惑星の動き、流星群などを観察してみてください。

 このガイドブックを発行するにあたり、大竹智子、永吉真子、大久保絵理沙、菊川真以さんに資料整理、イラスト・画像作成を協力してもらいました。

 惑星、衛星の画像は NASA( アメリカ航空宇宙局)、JPL(ジェット推進研究所)、ハッブル望遠鏡の画像は、 STSci ( 宇宙望遠鏡研究所)から教育目的で利用させてもらいました。
 また、説明用の画像作成に、ステラナビゲータ Ver.6 株式会社アストロアーツを使いました。