わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

土星の耳_リングの消失

ガイドブック 星空博物館 (第3章 太陽系の星たち)

土星の耳 リングの消失

平成15年3月発行


ガリレオがスケッチした土星
 1610年にガリレオは土星を望遠鏡で見て、土星に大きな耳がついているスケッチをし、耳がある、と記述しました。ガリレオはそれを土星の大きな衛星と考えたようですが、その2年後の観測では土星の耳は消えてしまったのです。

ホイヘンスが書いた土星とリングの変化の図
土星の耳がリングであることを発見したのは、オランダの天文学者クリスチャン・ホイヘンスで、1655年のことでした。
 リングが見えなくなったのは、リングの厚みが大変薄く、真横を向くと見えにくくなるためです。土星のリングは、幅数十万km以上、厚さは数km以下と考えられています。リングは、直径数cmから1kmの小さな岩石や氷のかけらが無数に集まったものだと考えられ、土星のまわりを回っています。

1995年10月13日の土星
リングが消失して衛星が並んでいる様子が見える







リングの年変化
 土星のリングと土星の赤道面は一致していますが、土星が太陽のまわりを回る公転軌道面に対し、て約27度傾いているため、土星の公転周期29.5年のうち、半分の14.77年ごとに1回、地球から見て土星の環が真横になって消えたように見えるのです。リングの消失は1995年から96年にかけて起こりましたがその時の写真を見ると、リングというより串のように見えたり、リングが消えて、衛星がはっきり見えたりしました。
 次回、土星のリングが見えにくくなるのは、2009年で、その次は2025年です。ただし、2009年、25年は、合近く(見かけ上太陽に近い時期)で起こるため、リングが消える時期は土星も見にくいことになります。1995年のような消失現象を見る好機になるのは、2038年から39年にかけて、となります。


ページの先頭へ