ガイドブック 星空博物館 (第3章 太陽系の星たち)

流星と流星群

平成15年3月発行


2001年のしし座流星雨

 流星は宇宙空間に漂っているチリが地球に飛び込んで光る現象です。流星が光る仕組みは,大気の空気分子との衝突によって起こります。ですから星のように宇宙空間にいるときから光っているわけではありません。地球に飛び込むときのスピードは秒速数十kmにも達します。このような速度で地球の大気に突入するとすごい摩擦で熱が発生し,一気に燃え尽きてしまいます。その時に強い光が放たれるのです。
 流星の元になるチリは彗星が太陽に近づいた時にガスと一緒に吹き出されます。そのため、彗星の軌道に沿ってチリが帯のように拡がる傾向があります。
 流星は、一年のうち、決まった時期に多く出現します。これを「流星群」と呼び、もっとも流星が多く出現する時期を極大、といいます。それは、彗星の軌道に散らばったチリの帯に地球が飛び込んでいくからです。流星群の原因となる彗星を母彗星と呼びます。チリの帯も太陽の周りを回っていますので、地球が飛び込む時期も毎年同じ時期になります。それでひとつひとつの流星群は毎年ほぼ同じ時期に活動します。
 流星群には、流星が天空上のある位置(輻射点)から放射状に流れる特徴があります。その方向に見える星座の名前をとって、××座の流星群と呼ばれます。

主な流星群

 流星群が活動するときの流星の出現数は1時間あたり数個のものから数十個以上のものまでさまざまです。流星をたくさん見たい時には、これらの流星群の活動時期、なかでも3大流星群と呼ばれる、1月のしぶんぎ 群、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群極大の日を狙って見ると良いでしょう。これらの流星群にはそれぞれ特徴があります。
 しぶんぎ群の流星は明るく、早いのが特徴です。また、極大のピークが短く、夜半にピークがくると1時間あたり空全体で100個も流れ、思わぬ流星数が見られますが、はずれると10個位になってしまいます。しぶんぎという星座は今はありませんが、北の空に出るりゅう座のあたりです。
 夏のお盆のころに活動するペルセウス座流星群は毎年活発に流星が見られる流星群です。特徴は早くて明るい流星が多いことです。かなり前から活動を始めるので8月に入ると目に付くようになります。
 12月のふたご群は、ゆっくりと流れる流星が特徴です。この群も毎年活発に活動しており、見やすい流星群です。日本で2001年に流星雨をもたらしたしし座流星群ですが、母彗星が33年周期で太陽を回っており、次に太陽に近づくのが2030年頃になります。それまではあまり活発な活動はしないだろうと思われます。