ガイドブック 星空博物館 (第3章 太陽系の星たち)

冥王星

平成15年3月発行

 冥王星は太陽から平均距離40天文単位と最も遠く,月よりも小さな惑星です。その軌道は他の惑星に比べて大きく傾き、また、海王星の軌道の内側に入り込んでくるほどだ円の軌道を描きます。軌道の傾きが大きいため、海王星との衝突の心配はありませんが。
 冥王星の起源に関しても、他の惑星とは成因が異なることが考えられています。現在では、エッジワース・カイパーベルト天体の中で最大のものであることがわかっています。さらに衛星カロンは、冥王星の半分の大きさもあります。近距離を公転していることから、冥王星と双子の惑星と見なされたりしています。
 冥王星は1930年に発見されました。のちに間違いがあることが分かったのですが、天王星と海王星の運動に基づいて、未知の惑星が海王星の後ろにあることが予言されたのです。幸運にもアメリカのローウェル天文台のトンボーが観測し続けて、冥王星を発見しました。

冥王星

 冥王星は直径が 2.320kmと惑星としては非常に小さく、計算のもとになった海王星などの惑星の軌道のずれの原因にはならないことがすぐにわかりました。引き続き惑星Xの探索が続けられましたが、何も発見されず、今に至っています。
冥王星は公転周期が247.8年と大変長く、発見されてからまだその軌道を1/3まわったほどです。遙か彼方のためまだまだ詳しいことがわかっていない惑星です。