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金星の満ち欠け

ガイドブック 星空博物館 (第3章 太陽系の星たち)

金星の満ち欠け

平成15年3月発行

 金星や水星は地球より内の軌道を回る惑星です。太陽と地球の間に割り込んで、太陽の光を向こう側から受けるような位置関係にもなります。月と同様、惑星の輝きも太陽の光を反射しているものですから、太陽の光が地球から見て横から当るような角度にあれば半月状に、向こうから当れば三日月状に見えることになります。
 とくに金星では望遠鏡でこのようすがよくわかります。見かけ上太陽から最も離れるころ(最大離角と言います)半月状に見え、内合(太陽と地球の間を金星が通過するときをいいます)に近いほど欠けかたが深くなります。
 明けの明星になりはじめか、よいの明星として見られる終わりころに観察するとよいでしょう。三日月状のとき金星は地球に近いので、大きめに見えます。優美で繊細な姿が楽しめるでしょう。ただし太陽が近いので、明るい時間帯に観察しないと低くなり、気流の影響を受けて見づらくなります。
 内合が春のときはその前のよいの明星のうちに、秋のときは内合後の明け方に見え始めたころがチャンスになります。内合が夏至に近いときは前後両方ともチャンスです。「明けの明星・よいの明星」のページの図の緑色の線の間の内合(2004年6月)がこれにあたります。
 なお、日没前や日の出後の青空で観察する場合には、太陽を見てしまわないよう、望遠鏡の操作には十分注意して下さい。

金星が半月状に見えるとき

宵の明星の金星

地球から見たとき、金星が見かけ状太陽から最も離れるときを「最大離角」と言います。金星が夕方や明け方の空で最も高くなるころです。金星の軌道を円として考えると、その位置は地球から金星軌道に引いた接線となり、これは太陽から引いた半径の線と垂直に交わります。そこでこの時、地球からは横から光を浴びる金星が見られ、その姿は半月状となるのです。これより地球〜太陽間に入り込むと、姿は右上の写真のようにな三日月状に近づきます。




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