ガイドブック 星空博物館 (第3章 太陽系の星たち)

水星をさがそう

平成15年3月発行

 地動説で名高いコペルニクスは、生涯水星を見たことがなかったという逸話があります。太陽系で最も内側の軌道を持つ水星は、太陽からあまり離れないため、日没後もしくは日の出前のわずかな時間、それも低い空にしか見ることができません。
 水星を見つけるには、それが太陽からできるだけ離れ、日没時・日の出時の高度が少しでも高い時期を調べ、ねらう必要があります。また、地球の自転軸の傾きの関係で、日本では、夕方の機会は秋には好条件になりにくく、明け方のほうは春には好条件になりにくいという傾向があります。
 次のページに見つけやすい時期を示します。背景の空が明るい状態で探さねばならず、さほどめだつ星ではありませんので、周辺に金星や木星などがある時はチャンスです。

水星(矢印)と金星(上)