ガイドブック 星空博物館 (第1章 観察の前に)

観察の前に

平成15年3月発行

 私たちの立つ大地は、休みなく転回し続けています。自転と呼ぶ、この運動は、1日に約1回転。星の位置の移動によって知ることができます。
 いっぽう、地球は、年にひとまわり、太陽のまわりを周ります。公転と呼ぶ運動です。公転する地球の速度は時速11万kmにも及びます。しかし、その運動を私たちは何によって知ることができるでしょう。星座を作るはるかな星たちは、この速度をあざ笑うかのように、微動だにせず、わずかに季節による星座の移り変わりが、回った角度を教えてくれるばかりなのです。1日1度。1年360度。
 それでもたしかに、地球は動いています。何億年、何十億年、気の遠くなるような過去から、それは延々と続いてきています。

北の空の星の動き