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探査機はどのよいにして火星を撮影したか

火星大接近 2003 (火星の素顔 探査機の画像から)

探査機はどのようにして火星を撮影したか

平成15年秋季特別展図録 平成15年10月発行


原理はカメラ付携帯
 マリナー4号に始まる火星探査の成果は、火星表面を撮影するカメラによってもたらされました。カメラで写す、とは言っても、撮影したフィルムは持ち帰ってこれません。探査機が撮影した火星の画像はイメージセンサーと呼ばれる撮像装置で取り込んだものを地球に向けて電送します。カメラ付携帯で写メールするのと原理は同じです。
 探査機からの火星の画像も初めのうちはぼけたような、不鮮明な画像でしたが、いまでは細かい地形までよく読みとれるすばらしく鮮明な画像が得られています。

オービター(周回軌道)から
 マリナー4号から7号までは、火星のそばを通り過ぎてしまうため、火星表面のごく一部しか撮影できませんでした。これでは火星表面を全て撮影するには、たくさんの探査機が必要になります。そこで、マリナー9号は火星の周りを回る火星の人工衛星となり、7300枚に及ぶ写真を撮影しました。これは火星のほぼ80%の地域をカバーします。
 その後、バイキング、マーズ・グローバル・サーベイヤー、マーズ・オデッセイはみなオービターとなって撮影を行い、地表の細かい地形の様子が分かるようになってきました。マリナー9号の写真の分解能(写真精度)は1 0 0m程度でしたが、バイキングでは最大で8m、マーズ・グローバル・サーベイヤーでは最大で1 . 4mと、向上してきました。また、オービターは写真撮影のみならず、大気の分析、地表の温度、鉱物の分析、水の測定、地表高度の測定など数多くの観測をしてきています。

ランダーとローバー
 火星の表面は、軌道上から大きなカメラを使って地形等を細かく撮影しても、解像度には限りがあります。地上の景色はランダー(着陸船)はバイキング1,2号ではじめて撮影に成功しました。1号はクリュセ平原に、2号はユートピア平原に着陸し、気象観測、地表の風景撮影、表面の土を掘り、分析したり生命の存在を確認するための実験等を行いました。
 マーズ・パス・ファインダーは地表を動くローバー(探査車)を降ろし、いろいろな形の岩石の分析をしたり、地上のクローズアップ写真の撮影などを行いました。

マリナー9号 1971年 NASA

バイキング1号着陸船 1978年 NASA

マーズ・オデッセイ 2001年 NASA
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