特別展・企画展 案内
平成24年度 秋期特別展
2012年10月20日(土)~12月24日(月)
 電気・ガス・水道などのライフライン。現代はこれらがなければ生きていけない世の中ですが、100年前はないのが当たり前。では、当時の人たちはどのように生活していたのでしょうか? 本展示では、電気・ガス・水道をキーワードに、現在から過去へ家庭の生活をさかのぼります。便利な電化製品がもしも使えなくなったどうしたらよいか、一緒に探ってみましょう。私たちが不便だと感じる昔の生活にこそ、未来を切り開くヒントが隠されているかもしれません。小学4年生の白鷺葵さんとその家族が、展示をご案内します。
タイトル白鷺家

 展示構成
I くらしのなかの火 平塚市とその周辺地域のかつての景観を現代の写真とともに紹介します。
 1 灯火 電気がひかれる前は、なにで明かりをとっていたのでしょうか。ここではランプや提灯、行灯などをご紹介します。
有明行灯(今井利貞氏寄贈) 弓張提灯(大澤龍二郎氏寄贈)
有明行灯(今井利貞氏寄贈) 弓張提灯(大澤龍二郎氏寄贈)
 2 煮炊き ガスが供給される前は、なにで煮炊きをしていたのでしょうか。ここではカマド(ヘッツイ)や七輪、そこで使われていたお釜などをご紹介します。炊いたご飯を入れるオヒツも登場します。
七輪(神部禎夫氏寄贈) 茶釜(猪股繁雄氏寄贈)
七輪(神部禎夫氏寄贈) 茶釜(猪股繁雄氏寄贈)
 3 暖をとる 現在使用しているような暖房器具が普及するのは昭和30年代後半以降。それまでは火鉢などの炭火が暖房の主役でした。
長火鉢(藤平ひろみ氏寄贈) 炭籠(亀井昌宏氏寄贈)
長火鉢(藤平ひろみ氏寄贈) 炭籠(亀井昌宏氏寄贈)
 4 燃料 電気やガス・石油が普及する昭和30年代以前は、麦カラ、稲わら、籾殻をはじめとする農作物の残りや薪、木炭がエネルギー源の主力でした。石炭の普及は終戦後のことです。
薪割り斧(山田儀明氏寄贈) マッチラベルコレクション(増山ゆき氏寄贈)
薪割り斧(山田儀明氏寄贈) マッチラベルコレクション(増山ゆき氏寄贈)
II 夏を涼しく エアコンが家庭に普及するのは昭和40年代以降。それまでは団扇や扇風機、そして打ち水などで暑さをしのいでいたのです。また窓を開けて寝るときに活躍するのが蚊帳です。
戦時中のうちわ(今井利貞氏寄贈) うちわ立て(石塚しも氏所蔵)
戦時中のうちわ(今井利貞氏寄贈) うちわ立て(石塚しも氏所蔵)
III くらしの中の水 現在は蛇口をひねればすぐに水が出てきますが、昔は井戸水をつかっていました。洗濯ももちろん人力です。ほかにも風呂やトイレに関する展示もあります。
手押しポンプ(島村速雄氏寄贈) 洗濯板(大谷耕三氏寄贈)
手押しポンプ(島村速雄氏寄贈) 洗濯板(大谷耕三氏寄贈)
IV 娯楽と通信の家電 娯楽があまり多くはない時代、一家に一台しかないテレビは貴重なものでした。今では子どもたちの遊びもゲーム機などの電化製品が主流ですが、体を使った遊びがほとんどでした。
テレビ(新倉勇氏寄贈) めんこ
テレビ(新倉勇氏寄贈) めんこ
 関連行事

 1日むかしの暮らし体験
11月18日(日) 午前10時 ~ 午後3時
場所:屋外展示場に集合(雨天時は科学教室  参加:先着30名(当日9時50分から受付開始。見学は自由)  対象:小中学生とその保護者
 講演会「昭和のくらしに学ぶこと」
11月24日(土) 午後1時30分 ~ 午後3時
場所:博物館講堂  参加:自由  担当:浜野達也(当館学芸員)
 特別展示解説  場所:博物館特別展示室  参加:自由
第1回 10月27日(土) 午後1時 ~ 午後1時50分
第2回 12月22日(土) 午後1時 ~ 午後1時50分
 イブニング・ミュージアム・ウィーク 11月6日(火)~11月11日(日) テーマ「あかりとエネルギー」
開館時間を午後7時まで延長し、下記のイベントを連夜開催します。
11月6日(火) 「縄文体験 炎の夕べ」 講師:栗山雄揮(当館学芸員)+古代生活実験室 会場:屋外 *雨天中止
11月7日(水) 「地震のエネルギー」 講師:森慎一(当館学芸員) 会場:講堂
11月8日(木) 「江戸のエネルギーを支えた相模川水運」 講師:早田旅人(当館学芸員) 会場:講堂
11月9日(金) 「むかしの灯り体験」 講師:浜野達也(当館学芸員)+民俗探訪会 会場:科学教室
11月10日(土) 「身近なもので電気を作ろう」 講師:塚田健(当館学芸員) 会場:講堂
11月11日(日) 「街明かりと天の川」 講師:澤村泰彦(当館学芸員) 会場:プラネタリウム室
 特別展図録
平成二十四年度 秋期特別展図録『くらしの今昔 電気・ガス・水道がなかった頃の道具たち』

平成二十四年度 秋期特別展図録『くらしの今昔 電気・ガス・水道がなかった頃の道具たち』

目次

Ⅰ くらしの中の火
1灯火 電灯・ランプと行灯・提灯・お灯明・松明・月夜の行事/2煮炊き ヘッツイ・炊飯・練炭コンロと七輪/3暖をとる 火鉢・炭火・こたつ・イロリ・寒い夜/4燃料 薪・火打石
Ⅱ 夏を涼しく
涼を求めて/民家/食物の保存/蚊帳
Ⅲ くらしの中の水
井戸/洗濯/風呂と水汲み/便所
Ⅳ 娯楽と通信の家電
ラジオ/カメラ/オーディオ/子どもの遊び/電話/パソコン
くらしの年表

A4判
64頁
1000円