特別展・企画展 案内




→ 関連行事のご案内  

 今回の東北関東大震災は未曾有の大災害となりました。亡くなられた方々、被災した方々には、心からお悔やみ、お見舞いを申し上げます。

 3月19日にオープン予定であった春期特別展は、計画停電のために会期が変更され、4月1日から開催する運びとなりました。

 今回の特別展では、湘南地域(大磯~平塚~姥島~江の島~三浦)と相模湾を中心として、湘南地域がかつて相模湾の深海からどのように生まれ、現在に至っているのかという湘南の誕生物語を、陸域と海域の資料から時代を追って紹介します。

 近年、相模湾に潜航して得られた深海相模湾に関する映像や実物試料を、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の全面的なご協力のもとに公開します。相模湾が地質的・生物的に多様性に富む湾であること、相模湾と湘南地域がその生い立ちに密接なつながりがあることを理解していただけたらと思います。


13万年前の波食台が地震の度に隆起を繰り返してできた湘南平
 今回の展示は地震について取り上げたものではありませんが、プレート運動の結果として湘南地域が過去からどのような変動を受けて来たのかを紹介しています。今回の東北関東大震災は、太平洋プレートが東北日本が属する北米プレートに沈み込む場所で起きました。気象庁によると、その震源断層は長さ500km、幅200kmにも及び、3つの断層が連続して破壊したといわれます。そして日本海側や長野や富士で起きた一連の地震を考えると、フィッサマグナ以東の北米プレートそのものが運動しているように見えます。国土地理院の資料によれば、東北日本全体が4m以上東へ移動し、1mほど沈下したことがわかっています。
 過去に複数の断層が連動した地震では、1707年の宝永地震や1854年の安政地震が知られています。宝永地震では駿河湾から東海沖・南海沖にかけての広範囲が同時に動いたとみられています。最近では、2004年のスマトラ島沖地震なども同様です。今回の地震は津波被害が甚大でしたが、地震発生がその元凶であり、今後、フィリピン海プレートの挙動に注目していかなければなりません。そうした意味からも、今回の春期特別展をご覧いただければ幸甚です。なお、展示解説書も刊行します。多数の方のご来場をお待ちしています。

1923年大正関東地震で伊東を襲った津波被害。熱海では高さ12mに達した

特別展関連行事

特別展示解説と深海相模湾映像上演

日 時 5月15日(日) 午後1時~3時
会 場 特別展示室と講堂
講 師 森 慎一(当館主任学芸員)
参 加 自由

サイエンスセミナー「伊豆弧から生まれた湘南」             (共催:湘南地球科学の会)

日 時 4月24日(日) 午後1時~5時
内 容 ① 「生物と地質の宝庫・相模湾-KOOHOO航海で得られたもの」 藤岡換太郎氏(海洋研究開発機構 特任上席研究員)
② 「丹沢・大磯地域の火山岩類のK-Ar年代とその意義」 森 慎一(当館主任学芸員)
③ 「丹沢衝突後の深成岩体の貫入」 有馬 眞氏(横浜国立大学教授)
④ 「相模トロフの将来:房総三重点の研究から」 小川勇二郎氏(筑波大学名誉教授)
会 場 講堂
参 加 自由


→過去の特別展のメニューに戻る