林の中でひっそりと咲く花 (2007.1)
カントウカンアオイ | カントウカンアオイの花 (内田藤吉氏撮影) |
探偵「真冬に咲く花でも、誰にも気づかれずに、ひっそりと咲いている花もあるよ。」
物子「なんか、地味な花ね。地面すれすれに咲いているし、茶色だし。」
博「落ち葉にかくれていたら見つからないよね。」
探偵「これは、カントウカンアオイといって、残念ながら平塚には生えていないけど、伊勢原や秦野の丹沢山麓(さんろく)や、三浦半島では、注意深く探すと見つけることができる。」
物子「いつ頃咲く花なの?」
探偵「秋に咲いてね、そのままの形で冬中開いているんだ。春になると実が熟す。」
物子「なんか変な花ね。」
探偵「右の写真の左はしに、花を割ったところが写っているだろ。内側にデコボコしたひだがあるのも特徴の一つだ。」
博「カンアオイの仲間には、ほかにはどんな種類があるの?」
探偵「神奈川県には5種類のカンアオイがある。カントウカンアオイの他、西丹沢にはズソウカンアオイ、箱根と大磯丘陵の西部にはオトメアオイ、多摩丘陵にはタマノカンアオイ、丹沢と箱根の一部にランヨウアオイだ。」
物子「みんな冬に花が見られるの?」
探偵「ランヨウアオイは5月頃に咲く春のカンアオイだ。他の種類は冬も花をつけているよ。」
博「どの種類も花はそっくりだね。」
探偵「カンアオイのなかまはどれもよく似ているから、花の内側のひだの数とか、花が咲く時期とかを、注意深く観察しないと種類が分からない。葉っぱもよく似ているしね。」
大磯丘陵のオトメアオイの花 (内田藤吉氏撮影) |
西丹沢のズソウカンアオイの花 (内田藤吉氏撮影) |