水滴はどこから? (2001.6)
「草の葉にたくさん水滴がついているね。」自然探偵はこう話し始めました。
「この水滴はどこから来たと思う?」
「そんなの、あたりまえでしょ。こんなに雨が降っているんだから、雨が葉っぱについたにきまっているよ。」
「だれでもそう考えるよね。確かにススキの葉の上に乗った水滴は雨に違いない。でも、こちらのナンテンの葉を見てごらん。」
「あれ、水滴が葉っぱのふちにきれいに並んでいるよ。」
「もし雨水がついたんだったら、そんなにきれいに並ぶかな?」
「そう言われると不思議だな。じゃあ、この水滴はどこから来たの?」
「葉っぱについている水滴には、二通りのものがあるんだ。一つはもちろん雨水がついたもの。もう一つは、植物が根から吸い上げた水が、葉っぱからあふれているのさ。その水は天気のよい日はどんどん蒸発してしまうけど、湿度の高い雨の日は水滴になるんだ。ちょうど水滴にある位置に葉が水を出す管の先が開いているんだね。」
「なるほど。じゃあ、この水滴は植物の体を通ってきたものなんだ。」
「そうだよ。朝の野原を歩くと、ズボンに朝露がつくね。あの朝露にも空気中の水分がついたものと、植物の体から出たものがあるんだよ。体から出た方の、きれいに並んだ水滴を見つけてごらん。」
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