自然探偵と大山を登る春 (2007.4)
探偵「君たちにいちばん身近な高い山というと、どこなのかな?」
物子「それは、大山でしょ。」
博「毎日見てるしね。それに小学校の遠足で頂上まで登ったこともあるし。」
探偵「そうか、頂上まで行ったことがあるんだ。見晴らしがよかったでしょ。」
物子「ちょうど天気がよかったから、平塚の町を見下ろすみたいで気持ちがよかったわ。」
博「海まで、よく見えたんだよ。」
探偵「さて、その大山なんだけどね、4月の大山は植物の観察にとても面白いんだよ。」
物子「いろいろな花が咲くっていうことでしょ。」
探偵「ちょっと違うな。種類が多いということではなくて、同じ種類の植物でも高さによって咲き方がずれているのが面白いんだ。」
博「それは、山に登ると気温が下がることと関係があるのかな。」
物子「それなら知っているわ。確か100m登るごとに気温が0.6度下がるんでしょ。」
探偵「なかなかよく知っているね。大山は、高さが約1200mの山だから、ふもとと比べると、ざっと7度か8度気温が低いことになるね。」
博「そうか、その分だけ、花の咲き方が遅れるわけだね。」
探偵「その通り。ある植物が、ふもとで満開でも頂上ではまだつぼみということもあるわけだ。別の言い方をすれば、4月の大山では春が登山しているようすを見ることができるとも言えるね。」
→ 4月16日のマメザクラ
→ 4月16日のモミジイチゴ
→ キブシの春
→ クロモジの春