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自然探偵シルエット    さよなら!自然探偵 (2008.3)

探偵「博君、物子ちゃん、今日はちょっと話があるんだ。」
物子「何よ、あらたまっちゃって。」
探偵「実はね、しばらくみんなと会えなくなるんだ。」
博「うそでしょ。ずっと一緒に自然観察ができると思ってたのに。」
物子「博君、わがまま言っちゃだめよ。大人にはいろいろ事情があるのよ。」
探偵「事情というほどのこともないんだけど、ちょっと長い旅に出ようと思ってね。」
博「僕たちも中学生になるから、それぞれ新しい出発ということだね。」
物子「そのうち、土産話(みやげばなし)を聞かせてね。それはそうと、さよならの前に何か、話はないの。お別れのメッセージとか。」
探偵「物子ちゃんには、最後までつっこまれぱなしだったね。ぼくが、君たちに言いたいことは、これからも身近なものをじっくり観察して自然に親しんでほしいということだね。たとえば、タンポポのことをいろいろ見て来たよね。」
博「カントウタンポポとセイヨウタンポポでは生えている環境が違うとか・・。」
物子「花にどんな虫が来るかも観察したわね。蜜を吸いに来るチョウ、花粉を食べる甲虫、花びらを食べるヤブキリの幼虫もいたわ。」
博「確か、カラワヒワという小鳥が実を食べに来ることもあるんだね。」
探偵「そうそう、一つの生きものをじっくり観察していると、環境との関係とか、生きもの同士のつながりとか、いろいろなことが見えてくる。それが大事なことだと思う。ぼくが学生だった頃に、自然のことを学んだ『自然と生命のパレード』(J.H.ストアラー著/浦本昌紀訳/白楊社)という本がある。その本の最初に、アメリカの自然保護のリーダーの一人のフェアフィールド・オズボーンという人がこんなことを書いている。『真理の中には、基本的なものであっても私たちが見すごしてしまいやすいものがいくつもあります。私たちの住み家である、地球に関する真理のうちで一番基本的なものはといえば、生命あるものはすべて、なんらかの点でお互いにつながりを持っている、ということです。』みんなも、この言葉をずっと覚えておいてほしいな。」

カントウタンポポのつぼみ カントウタンポポ セイヨウタンポポ
ベニシジミ モモブトカミキリモドキ ヤブキリ
アカミタンポポ カワラヒワの食べた実 セイヨウタンポポの実


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