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ゲンジボタルを育てる (2003.5)

探偵「もうしばらくすると、ホタルが飛ぶだろうな。」ゲンジボタル
博「え?この公園にはホタルがいるの?」
探「うん、ゲンジボタルが放流されていてね、多い日には20〜30匹くらいが光るのを見ることができるんだ。」
物子「ホタルの放流って問題も多いって聞いたことがあるけど・・。」
探「確かにその通りだね、どこでもホタルを放せばいいっていうもんじゃない。いくつかの条件が必要だね。
 金目親水公園の場合は、まず昔はホタルがいたことがはっきりしている。それから井戸が水源になっていて、安定した流れが確保できているし、ホタルの幼虫の餌になるカワニナも住めることが確かめられている。」
博「なにか、地方によって光り方が違うっていうこともあるんでしょ。」
探「みんな、ずいぶん詳しく知っているね。横須賀市自然博物館の大場信義先生の調査で、東日本と西日本のゲンジボタルでは、点滅(てんめつ)する早さが違うことが分かっている。他にも、細かい違いがあるかもしれないから、離れた地方からホタルを持って来て放すのは決してやってはいけないことだね。親水公園の場合は、同じ水系の4kmくらい離れた場所に生息している雌から卵をとっているから、その心配もない。」
物「なるほど、だから放流したってことね。」
探「それともう一つ、大事なことは地元の方達が一生懸命になってホタルを育てようとしていることだ。地元の自治会が中心になって『親水公園ホタル保存会』という会ができていて、水路の手入れや、ホタルの飛ぶ時期のパトロールをやっている。中学校のクラブでも、放流のための幼虫の飼育に取り組んでいるよ。」
物「いろいろな人がホタルのことを考えているのね。」
探「そうだよ。ホタルがこの場所で卵を産み、次の年に成虫が出てくる、それが毎年繰り返されるようになることが、みんなの目標なんだ。そうすれば放流も必要がなくなる。早くそうなるといいね。」
博「ねえ、今度、夜に連れてきてよ。ぼく、ホタルが光るの見たことないもの。」
物「実は、私もホタルって見たことないの。ねえ、探偵、約束よ。」 

幼虫放流のようす ホタルを説明した野外展示
保存会による幼虫放流のようす
(2003.2.11 米村康信氏撮影)
放流の日の野外展示(2.11 米村康信氏撮影)
(03年5月現在、現地に引き続き展示中)


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