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コアジサシはなぜ少なくなったのか?  (2003.7)


川原に乗り入れた車
物子「相模川ではコアジサシが巣作りしている場所が少なくなったのは分かったけど、原因は何なの?原因は。」
探偵「それにはいろいろあるんだ。コアジサシは集団で巣を作るから、石がごろごろしたある程度広い中州や川原が必要だ。ところが、そういう場所はグラウンドなんかに利用されることが多くて、自然の川原が少なくなった。まずそれが原因だね。」
博「川原で巣を作っている鳥がいるなんて、考えたこともなかったな。」
探偵「それから、川で遊ぶ人の影響も大きいよ。特に1980年頃から、川原に車で乗り入れる人がふえてきた。コアジサシの巣がひきつぶされるというようなこともあったし、車が走って固まった地面はコアジサシには使いにくい。釣りの人が巣の近くを通るのも鳥の方には迷惑だし。」
物子「人間が追い出したとも言えるのね。」
探偵「川に遊びに来る人の中には、おべんとうのからとか、バーベキューの残飯なんかを捨てていく人がいる。すると、それをねらってカラスが集まる。カラスはコアジサシの卵やひなも食べてしまうから、これもまた減る原因になる。」
博「川にゴミを捨てるのがいけないのは、川原を汚すからだけじゃないんだ。」
探偵「もう一つ、むつかしいことはね、川にダムができて洪水(こうずい)が起きることが少なくなっただろ。そのために、川原や中州にいっぱい草が育ってきて、それもコアジサシにとってはつごうが悪いんだ。」
物子「そんなこと言っても洪水を起こすわけにはいかないでしょ。」
探偵「そう、そこがむつかしいんだ。相模大堰のように、人工的に台地を作っているのは、人間が洪水のかわりをして、コアジサシが使える場所を作っているとも言えるね。酒匂川でも、小田原市が市民といっしょに台地作りに取り組んでいるよ。」

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