複雑なジョロウグモの網 (2001.9)
「ねえ、探偵。私、クモの中でも特にこのクモがきらいなのよね。」ブッ子ちゃんのブツクサが始まりました。
「なんで、また、そう毛ぎらいするのさ。」博君はなっとくがいかないようです。
「だって、山道なんかで、うっかりジョロウグモの巣に顔をつっこんじゃったりするでしょ。そうすると、ひどくねばねばしてなかなかとれないんだもの。」
「なるほど、ブッ子ちゃんの言うことにも一理はあるね。」自然探偵がそう言いました。
「ジョロウグモの巣は、ほかのクモの巣よりも網目が細かいから、顔なんかにつくと確かにやっかいだ。
ジョロウグモの巣には、他にもいろいろ特徴があるよ。前から見ると、まん丸じゃなくて下の方に広がった形をしている。横から見ると、網が1枚じゃなくて、前後にも簡単な網がついている。そんな複雑な網を張るのは、ジョロウグモくらいだね。
「ジョロウグモの巣って探偵の絵よりももっと複雑みたい。三重どころじゃないわ。」クモぎらいのブッ子ちゃんの言い方には、どこかとげがあります。
「そうだね。この写真は1匹のジョロウグモの作った巣ではなくて、何匹もの網が合わさっているんだ。網を張るのに都合のよい場所だと、よくこんなことがあるよ。
ところで、クモをきらうばかりでなく、少し観察してみたらどうだい。網の観察なら気持ちも悪くないんじゃないか。次のページを開いてごらん。」
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