生垣の役目 (2006.12)
竹林と一体となった生垣 騒音もシャットアウト! |
探偵「生垣には目隠しの役目があるという話が出たけど、それだけだったらコンクリートやブロックとか、木の塀(へい)でもいいわけだね。そうした塀より生垣がすぐれた点はどこだろう。」
物子「見た目がきれいということがあるんじゃないかな。いつも緑で気持ちがいいわ。」
博「落書きもできないしね。」
物子「博君、もっとまじめに考えてよ。」
博「樹木は空気をきれいにすると聞いたことがあるけど、生垣も樹木なんだから、そういう働きがあるんじゃないかな。」
探偵「そうだね。生垣の葉っぱをこすってみると、けっこう黒く汚れていることが多い。それだけ空気中の汚れを葉につけてくれているということだ。騒音(そうおん)を防ぐ働きも大きいね。もう二つ大事なことがあるんだけど、それは防災(ぼうさい)に関係したことさ。」
物子「一つは分かったわ。地震(じしん)の時の話でしょ。塀だと地震で倒れる心配があるっていうことね。」
博「そうか。大きな地震の時にブロック塀の下敷きになって死んだ人がいたんだよね。」
物子「もう一つも分かったわ。火事の時に、燃えにくいということじゃない。」
探偵「特に葉の厚い常緑樹は、水を多く含んでいるから、火が燃え移るのを防ぐ働きが強いんだ。サンゴジュのように、昔から特にそのために植えられた木もあるよ。」
探偵「生垣の役目やすぐれた点がこれで出そろったね。家の境界を示したり、泥棒を防いだり、目かくしになったりという塀と同じ役目をしているわけだけど、空気をきれいにする、騒音を防ぐ、見た目にきれいで心を和ませてくれる、地震の時に危険が少ない、火事が燃え広がるのを防ぐといった利点があるということだよ。」
→ 生垣ウォッチングのトップへ
→ 自然探偵のトップへ
→ 平塚市博物館トップへ