ハクセキレイのねぐら (2005.11)
物子「夜、ハクセキレイが橋桁(はしげた)で寝ているというのが、なんかイメージがつかめないんだけど。」
探偵「この写真を見てごらん。これは、1981年にとりこわされた古い馬入橋でとったものだけど、橋桁の中の鋼材(こうざい)に並んでいたね。この時は、図のように橋桁の中に飛び込んで奥まった場所で寝ていたんだ。」
橋桁(はしげた)にとまってねるハクセキレイのむれ | 旧馬入橋へのハクセキレイのねぐら入り |
博「ハクセキレイの場合、ねぐらに使うのは橋桁だけなの?」
探偵「それはなかなかいい質問だね。ハクセキレイの場合、工場の屋根とか、ビルの上の広告塔(こうこくとう)を使う場合もある。ほかに、街路樹(がいろじゅ)に集まることもあるよ。橋桁の場合に比べると集まる数は少ないけどね。」
物子「なぜ、夜は集団ですごすのかしら?」
探偵「それもまたいい質問だね。ハクセキレイのほかにも、集団のねぐらを作る鳥がいる。前に紹介したカラスもそうだね。ほかにムクドリとか、サギ類とか。夏にはツバメもヨシ原で集団でねる。こうした鳥がなぜ集まってねるかについては、いろいろな説があってね。安全な場所が限られるから自然に集まるとか、大勢でいると敵(てき)に気づきやすいとかね。新しい有力な説には情報センター説というのがある。次の日の朝、ねぐらから飛び立つ時に、前の日にえさをとれなかった鳥は、えさを十分にとって元気よく飛び立っていく鳥についていくというんだね。その結果、えさがどこに多いかという情報が、ほかの鳥に伝わっていると考える。まだ十分に証明(しょうめい)されたわけではないけどね。」
街路樹でねるハクセキレイのむれ (藤沢市/臼井勝之氏撮影) |
→ 「自然探偵とハクセキレイのねぐら」のトップへ
→ 自然探偵のトップへ
→ 平塚市博物館トップへ