標識調査とは? (2005.11)
物子「馬入橋でハクセキレイをつかまえるって言うけど、いったいどうやってとるの?」
探偵「ハクセキレイは橋桁(はしげた)で寝ているから、夜明けころ、飛び出すところをかすみ網(あみ)をはってつかまえるんだ。」
博「え?かすみ網って確か禁止されているんじゃなかったっけ。」
探偵「そうだね。食べるためとか農作物を守るために使うことは禁止されている。ただし、標識調査のためなら、訓練(くんれん)を受け、環境省から許可をもらっているバンダー(標識調査員)だけが使うことができるんだ。もちろんつかまえた鳥は、脚輪をはめたあとで放してやるんだよ。」
物子「でも、つかまえたはずみに死んでしまうような事故も起こるんじゃない?」
探偵「なれたバンダーなら、そんな心配はないよ。馬入橋ではこの2年間で1000羽近くのハクセキレイに脚輪がつけられたけど、死んだのは1羽もいないよ。」
物子「ならいいけど。」
博「脚輪をつけるとどんなことが分かるの?」
探偵「まず渡りのようすだね。2003年3月30日に馬入橋で脚輪をつけられた1羽が、4月13日に岩手県大船渡市で確認されたことがある。冬に平塚で見られるハクセキレイの中には北国からやってきているものもいるということだね。」
物子「でも、どうして馬入橋で放されたハクセキレイだと分かったわけ。」
探偵「かんじんなことを説明していなかったね。脚輪は軽い金属製で、そこに番号がきざんであるんだ。標識調査は、千葉県にある山階(やましな)鳥類研究所というところが環境省から依頼(いらい)されて、とりまとめをしているんだけど、その番号を記録して、そこに報告しておくわけさ。」
博「ほかにも分かることがあるの?」
探偵「馬入橋のように、同じ場所で標識調査を続けていると、時間をおいて同じ個体がつかまることがある。番号から、いつ放したものかが分かるから、ハクセキレイの寿命(じゅみょう)についての情報も得られるね。馬入橋では5年以上生きたことが確かめられたケースがあったよ。」
かすみ網(あみ)で捕獲(ほかく) | 脚輪(あしわ)をつける |
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