幹を流れる雨 (2001.6)
「おおい、ここに面白い模様ができているよ。」先に立って雑木林の道を歩いていた自然探偵が声をかけてきました。
近寄ってみると、少し傾いて立っているミズキの幹に平行線が並んでいます。そして幹の下側には、上から下までまっすぐの線がつながっていて、全体はまるで魚の骨のようにみえます。
「どうしてこんな模様がついたの?」
「それはね、こうしてみるとすぐに分かるよ。」探偵は、線の下側に指をあてました。すると指の上にたちまち水がたまってきて、水滴になってこぼれ落ちたのです。
「この模様は水の通り道だったんだ。」
「そうだよ。木の上に降った雨は、まず葉っぱにあたる。そのまましずくになって落ちる水もあるけど、葉を伝い枝を伝いして流れ落ちてくる雨水も多いんだ。木肌がすべすべしていて、しかも傾いた木だと、その通り道が幹の上にはっきりできるんだよ。この水の通り道は、晴れた日にも分かるから、今度来た時に気をつけてごらん。」
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