国内からの帰化植物
博「ねえ、一つ疑問があるんだけど、この図の中に国内というのがあるのはどうしてなの。外国からきた植物だから帰化植物なわけでしょ。おかしいじゃない。」
探偵「なかなかよいところに気づいたね。確かに帰化植物は、外国原産の植物が野生化した場合に使うのが原則(げんそく)だけど、国内の他の地域の植物が野生化した場合にも使う。国内帰化(こくないきか)という言い方もあるね。たとえば、シュロの場合は、もともとは九州のような暖かい地方だけに生えていた植物だけど、庭木としてよく植えられていたのが、最近では野生化して自然の林でもよく見られるようになった。温暖化(おんだんか)の影響で、南の植物であるシュロが増えてきたという意見もある。こうした例が国内帰化だね。」
物子「私のクラスに大阪から転校してきた子がいるけど、そんな感じかしら。」
探偵「マテバシイはもともとは九州に生えている木なんだけど、薪(まき)や炭(すみ)を作るために広く植えられて、今では植えたのか野生なのかよく分からなくなっているんだ。」
博「マテバシイは、公園でドングリを拾うから、よく知ってる。大きなドングリがなるよね。」
探偵「ハマニンニクの場合は、また事情(じじょう)が違う。もともとは北日本の海岸に生える草で、海岸の砂をとめるために種をまいたりしてふやしたのが始まりだ。今では野生化してふえている海岸もあるよ。」
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