動物としての鳥の行動の特徴をあげるとすれば、「飛ぶ」ことが第一にあげられるでしょう。鳥は飛ぶことを通して、海から高山にいたるあらゆる環境のあらゆる餌を利用できるようになり、また渡りという独特の習性も発達させてきました。
飛ぶために鳥の体には様々な適応が見られます。前足には丈夫で長い風切羽が生えて翼がつくられています。翼は揚力が生まれるような断面になっており、それを動かすための大胸筋も大きく発達しています。飛ぶためには体が軽くなくてはならず、たとえば骨は中空で中の細かい支柱が補強する構造になっています。 飛ぶことには大きなエネルギーがいるので、代謝効率のよい餌が必要で、動物質や、植物であれば種子や花蜜のような部分を食べていかねばなりません。飛ぶことは鳥の体の作りや生活のあらゆる部分に影響を及ぼしているといえるでしょう。 飛んでいる鳥を見たら、どんな飛び方をしているか、どこに飛んでいるのか、なんのために飛んでいるのか、飛びながら何かをしていないかなどに気をつけて観察してみましょう。 | |
15-1 飛ぶカワラヒワの群れ |
15-2 飛ぶタゲリの群れ |