野鳥の観察 (7.休息と睡眠)

ねぐら

ガイドブック14 野鳥の観察 平成7年3月発行

昼行性の鳥が夜を、夜行性の鳥が昼を過ごす一定の場所を「ねぐら」と呼んでいます。多くの種では、ねぐらと繁殖のための巣とは別のもので、日本の鳥では巣をねぐらにも利用したり、ねぐらとして構造物を作る種はごく少数です。
先に述べたように、鳥には長い睡眠をまとめてとる必要はあまりないようです。従って、ねぐらを持ちそこで夜を静かに過ごす理由は疲労を回復する意味と同時に、採餌を行っても能率の悪い時間帯をエネルギーのロスを最小限にしてやり過ごすという意味があると思われます。ねぐらにいる鳥は、休んでいると同時に、じっとがまんして朝を待っているのです。

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ねぐらの場所としては、種類によって茂み・樹洞・建物の隙間・地上・海上などが選ばれますが、外敵の近づきにくい安全な場所であること、特に冬期は風の当たらない保温性にすぐれた場所であることが重要な条件と思われます。