Terpnosia vacua (Olivier) | |
(セミ科) | |
全長3.5cmの小型のセミで、体は黒くて褐色の紋があり、翅は透明である。5月中旬から6月上旬頃に発生する初夏のセミである。稀に4月の記録がある。マツ林に生息し、日の照っている時にギリギリギーなどと聞こえる声でゆっくり鳴く。本種はアカマツ林との結びつきが強いが、平塚市湘南平の例のようにクロマツ林にも生息する。ただし、海岸の砂防林には生息せず、その原因は他のセミ類と同様に砂地が幼虫の生活に不適なためではないかと想像される。全国的に分布の衰退が認められ、環境庁による第2回自然環境保全基礎調査での調査対象種に選定されている。神奈川県はもともとアカマツ林が少ないので、以前も広く分布していたとは考えにくいが、現在では分布は局地的で、衰亡しつつある種と思われる。 | |
ハルゼミのぬけがら |
はるぜみ分布 |
ハルゼミの抜け殻 |
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