平塚の水辺 (水辺の自然)

5月 アユのぼる

最終更新 1999年9月

アユは相模川を代表する魚です。 支流の中津川沿いに愛川町という町がありますが、その名は「鮎河」という古名にちなんだものだそうです。
 アユは、秋の終わりに川の中流で産卵し、かえった稚魚はすぐに海に下り、沿岸で冬を過ごします。 4月から5月にかけて川をさかのぼり、中流にすみついて夏を過ごします。 そして秋に少し川を下って産卵し、一生を終えるのです。5月は、こうした生活を持つアユが川をさかのぼって来る季節にあたります。 しかし、相模川をさかのぼるアユの数は格段に少なくなったといいます。 その原因は水の汚れとともに、川にダムや堰が多く作られ、海との往復の障害になっていることがあげられます。漁業組合では、稚魚を放流してアユを絶やさない努力をしていますが、自然に遡上するアユが増えるように川の環境を改善することにも努めたいものです。
 相模川では、アユは多くの生き物とつながりを持っています。 コアジサシはアユサシとも呼ばれるように、空中からダイビングしてアユを捕らえます。 堰では遡上するアユをコサギが待ち構えています。川の中では、アユカケという魚がアユをねらっています。 こうした生き物のつながりにも目を向けてみましょう。

ア ユ

アユをねらうコアジサシ

堰でアユを待ち構えるコサギ

近年は珍しくなったアユカケ(小杉正則氏撮影)