海岸には、時には大きな海鳥が流れ着くことがあります。中でも大物はコアホウドリで、翼を広げると2メートルにもなる大きな体を見つけるとびっくりするものです。コアホウドリは、ハワイなどの島に集団で巣を作り、子育てをする時以外は、北太平洋を広く飛び回っています。外洋で暮らしていることが多く、三宅島や八丈島に向かう航路などでは、その姿をよく見かけます。長い翼をいっぱいに開いて、風を巧みに利用して海面すれすれを飛ぶようすは、海鳥の王様というにふさわしいものです。 岸近くに飛んでくることは、非常にまれですが、今まで3回ほど平塚や大磯の海岸に死体が打ち上がったことがあります。そのうちの1回、解剖して胃の中を調べてみたところ、魚の骨などに混じってプラスチック片が見つかりました。直接の死因というわけではないでしょうが、海面を漂っているプラスチックが海の動物の体の中に入り込むことを示す実例と言えます。 今年の6月に、平塚漁業組合の協力で、海鳥の調査のために沖合に船を出したところ、大磯沖10kmほどの海上で、コアホウドリに出会いました。この鳥は、相模湾にも、時々姿を見せているようです。 | |
コアホウドリの死体(関口伸子氏撮影) |
コアホウドリの胃の内容物(S:イカの口器 P:プラスチック) |
海面に浮かぶコアホウドリ(青木雄司氏撮影) |
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