夏から秋にかけて、平塚海岸に立って沖合を眺めると、水平線すれすれに海鳥の群が次々に移動していくのが見えることがあります。双眼鏡を使うと、その鳥は体の下側が白く、翼を広げたまま、はばたかずにゆるやかな波を描いてすべるように飛んでいくのが分かるでしょう。この鳥はオオミズナギドリという鳥で、日本近海の離島で集団繁殖しており、神奈川県にもっとも近い繁殖地は伊豆七島の御蔵島です。そこでは、森の地上に数万羽が巣穴を掘って子育てをしています。真冬以外は、相模湾にも、多くの個体が飛んできており、漁船の回りなどにしばしば数百羽が群れています。 かって、カツオ釣りが盛んだった頃は、漁師たちはオオミズナギドリを目印に、カツオの群を探したそうです。オオミズナギドリはイワシなどの小魚をねらうので、その群れているところにはそれを餌にするカツオも集まってくるからです。 オオミズナギドリは、時に死体になって海岸に打ち上げられていることもあります。近くで観察する機会があったら、淡いピンク色のくちばしと足、白と黒の斑のある頭部などの特徴を確かめてください。 | |
並んで飛ぶ2羽のオオミズナギドリ |
波を立てる魚群に集まるオオミズナギドリの大群 |
海岸に打ち上げられたオオミズナギドリの死体 |
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