平塚のお祭り -その伝統と創造- (II 平塚58社のお祭り)

11 東照権現社

平成17年夏期特別展図録 平成17年7月発行

【鎮座地】中原3-20-16 【例祭日】4月17日直前の日曜日
 かつては中原御殿跡に鎮座しており、明治42年に日枝神社へ合祀されました。徳川家康公を祀り、命日の4月17日に神事を行っていました。平塚市ふるさと歴史再発見事業で中原御殿がクローズアップされたことを契機に、平成14年より中原町内会が手作りで鷹狩行列を再現。神輿や車山車も出て急速に大きくなっているイベントです。

 中原の「東照権現祭と鷹狩行列」 小川治良
 当地区では、徳川家康公ゆかりの中原御殿があった関係で、その命日(4月17日またはその直近の日曜日)に東照権現祭を執り行っています。祭りの特色は、家康公の好まれた鷹狩を、鷹狩行列という形で取り入れていることです。
 その編成には、役割を町内会(自治会)ごとに分担しています。それを行列の順序に沿ってあげますと、第1団は行列の先駆けとしての御徒組(裏宿)、第2団は将軍と鷹狩の総指揮官である若年寄組(上宿)、第3団は指揮官の下、鷹狩万端を仕切る側衆・小納戸組(御殿)、第4団は蒼鷹や獲物追出し犬と、鷹の餌持係からなる鷹匠組(中宿)、第5段は武装した行列の護衛係である槍・手筒持組(下宿)、最後尾の第6団が将軍の着替えと時報係の挟箱・土圭之間坊主組(新川端)で、総勢40人。これに稚児の甲冑行列(約30人)が続きます。それ以外には触れ太鼓・車山車(3台)、子供神輿(7基)、神社神輿などが相前後して参入し祭全体を編成します。
 行列の中程の休憩の広場では、模擬的ながら「鶴御成」という鷹狩の状況が実演されています。次回に例えば「雉御成」とか「雲雀御成」などが計画されているそうです。鷹狩行列と名の付くものは他所にもありますが、当地区のものは史実に出来るだけ近い形を取っているのと、鷹狩の模擬的実演があるのが他に類を見ないところで、そこに特色があります。


権現祭の鷹狩行列
撮影 2005.4.17