平塚のお祭り −その伝統と創造− (社寺調査会員の声)

私にとっての祭り

平成17年夏期特別展図録 平成17年7月発行

 子供の頃、九月も半分も過ぎると秋風と共に太鼓の音が聞こえ
てきました。もうすぐ祭りです。母に新しい服をねだり、当日は
その服を着て、こずかいを握りしめ、お宮さんに出掛けたもので
す。一年に一度友達と語をしながら露店を一軒一軒覗いてまわり、
親には止められていた買い食いをする。これが祭りの大きな楽し
みでしタ。結婚してから、主人の実家の祭りでは、一年に一度親
戚の人が大勢集まり、手作りの料理を戴きながら、話に花をさか
せます。
 今回この調査会で市内各地の祭りを見学しました。境内で露店
を覗く子供の姿は昔の私自身、御酒所での女性達の奮闘ぶりは今
の私と共通するかなと思い、時も場所も祭りの規模が違っても、
祭りの場面に居る人々の心や姿は、昔も今も変わらない、と感じ
ました。
                                吉川裕子