三嶋神社のお神輿が近づいて来る。ドッコイドッコイソリャソ
リャ、掛け声が聞こえてくる。あれ、明神さんのお神輿はそんな 掛け声じゃなかった。六十年ばかり前の記憶がよみがえる。ワッ ショイワッショイ!、力強く、激しく、エネルギーに満ち溢れて いた。ドッコイじゃ気迫が足りない。エネルギーの集中が弱いと 恩ったが、担ぎ手一人一人に遊び気分の楽しさが見られる。これ はきっと、昔のお祭りは純然たる神事で、神に幸を祈り願うもの であったが、今は、氏子衆の楽しみの場に変化しているようだ。 昔のお神輿は、すごい勢いでやって来た。邪魔なものはふっとば し、はねとぱし、ワッショイワッショイとさらっていく。いつま でワッショイだったかと土地の人に聞いてみたが、六十代の人は 分からないという。七十代以上の人は、昔は確かにワッショイだ ったが戦後に変わったのじゃないかという。結局、昭和二十年代 に掛声が変わったということになった。 大貫祐子 | |
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