平塚のお祭り −その伝統と創造− (社寺調査会員の声)

寺田縄日枝神社例大祭に思う

平成17年夏期特別展図録 平成17年7月発行

 平成十七年四月三日、祭は例年通り午前十一時より式典開始。
昨年は御輿渡行の後半、肌寒く雨が降ったりやんだりの天候に見
舞われたが、今日は朝から晴れ、私は特別な思いで三年連統して
祭りに参加している。
 寺田縄が母の故郷でもあり、街の中で生まれ育った私は、小・
中学生の頃一家揃って祭りに母の実家へ行くのが何よりの楽しみ
であった。同じ平塚に住みながら当時は何故か遠い田舎に来た様
ななつかしさを感じた。そんな思いと、現在の御輿を手作りで完
成させた太鼓連(現在の山王会)のメンパーの一人で、塗装を引
き受け現在病床についている私の従兄弟の分もとの思いが重な
り、さらに博物館の社寺調査会の仕事?とが重複して今日も境内
の子供達が叩く太鼓に聞き入り雰囲気にひたるのである。又、地
区の家で子供を祭りに参加させないと云う両親を持つ子供の事を
思うと一抹の淋しさを感じる。せめて子供達には祭りの楽しさを
味合わせてあげたいものである。
 最後に酔いにまカ叱て短歌を二首記す。
  祭り提灯川面に映えて深ぷかと今日一日の心ろの平安
  祭り終わる満点の星受けながら重きカメラと家路を急ぐ

                              今井輝夫