平塚のお祭り −その伝統と創造− (社寺調査会員の声)

地域集団で共有する娯楽

平成17年夏期特別展図録 平成17年7月発行

 祭は共有、連帯感を得られる娯楽ではないかと恩った。現在、
巷に溢れる娯楽はどちらかといえば個人で楽しむものが多いので
はと思う。それに対し、祭は地域という集団で楽しめる。今の社
会は「個」という方向へ進んでいる感があるが、人間集団という
言葉がある以上、「集」に対する意識を持ってもよいのではない
か。地域での祭を通じて人々が楽しみを共有できれば、祭の今後
にも繋がっていくのではないだろうか。
 ただ、祭も盛衰があり時代の影響を受けやすいかと思うので、
祭の形が少しずつ変化するのも事実である。「過去」からのもの
を続けていくにせよ、「現在」の形を創っていくにせよ、多大な
労力がいる。それには、一人の力では為せる業ではないと恩うの
で、地域の人々が共に力を合わせ、祭を「未来」へ渡って受け継
いでいってもらいたいと願う。
                              猪股将治